西部太平洋海上日射量直接観測データセット


このデータセットの引用文
岩坂直人. (2010). 西部太平洋海上日射量直接観測データセット [Data set]. データ統合・解析システム(DIAS). https://doi.org/10.20783/DIAS.673
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識別情報

名称 西部太平洋海上日射量直接観測データセット
1.0
略称 SRWP dataset
DOI doi:10.20783/DIAS.673
メタデータID SOLAR_RADIATION_WP20250911003125-DIAS20221121113753-ja

問合せ先

データセットに関する問合せ先

名前 岩坂直人
組織名 東京海洋大学
電子メールアドレス iwasaka@kaiyodai.ac.jp

プロジェクトに関する問合せ先

データ統合・解析システム

名前 DIAS事務局
組織名 国立研究開発法人海洋研究開発機構
住所 日本, 236-0001, 神奈川県, 横浜市, 金沢区昭和町3173番25
電子メールアドレス dias-office@diasjp.net

ドキュメント作成者

名前 岩坂直人
組織名 東京海洋大学
電子メールアドレス iwasaka@kaiyodai.ac.jp

データ作成者

名前 岩坂直人
組織名 東京海洋大学
電子メールアドレス iwasaka@kaiyodai.ac.jp

ドキュメント作成年月日

2025-09-11

データ作成年月日

  • creation : 2010-06-10

データセット概要

序論

 このデータセットは, 1990年から1995年にかけて、主として西部太平洋の海上で得られた全天日射量観測のデータを整理し、研究利用に供するためのものである。

 この日射観測は、日本の外航船社の協力を得て、主として西部太平洋で運航されていた貨物船に全天日射計を設置しておこなった。観測に参加した船舶は20隻である。

 外洋上で直接観測した全天日射量の10分平均値を、観測日時(世界時)、観測場所(緯度経度)、位置フラッグ、雲量、船首方位、船首方位に相対的な太陽方位角、太陽高度角、日陰の影響を受けている可能性の有無を示すフラッグ等と合わせて提供する。各10分平均値で1レコード、全500,050レコードである。

 この観測は、東京商船大学(現東京海洋大学海洋工学部)、東京大学海洋研究所(現大気海洋研究所)、東北大学理学系研究科の共同研究チームが実施したものである。

トピックカテゴリ(ISO19139)

  • climatologyMeteorologyAtmosphere

  • environment

  • geoscientificInformation

  • oceans

時間情報

開始日 1990-09-01
終了日 1995-02-12
時間分解能 10minute

地理的範囲

北限緯度 60
西限経度 -180
東限経度 180
南限緯度 -45

キーワード

データセットに関連するキーワード

キーワードタイプ キーワード シソーラス名
theme Oceans > Ocean Heat Budget > Shortwave Radiation GCMD_science

プロジェクトに関連するキーワード

データ統合・解析システム
キーワードタイプ キーワード シソーラス名
theme DIAS > Data Integration and Analysis System No_Dictionary

データセットに関するオンライン情報

データ周辺情報

1.データセットの内容 ファイル名:SR_WESTERN_PACIFIC.dat ファイル形式:テキストファイル 書式:10分平均値1つを1レコードとし、1行あたり1レコード、1レコードは18項目を含み77文字と改行記号で構成されている。区切り文字は空白である。 データの並び:船舶コード表の船名コード順、船舶毎に時間順、日出時から日没時まで 書式は表1参照 2.各フラッグの説明 (1)位置フラッグ  船位は船内時08時、12時、16時に乗組員が野帳に記入したものを元に求めている。船内時08時、12時、16時に相当する時刻の場合は位置フラッグを1とし、船員による記録のない時刻の推定位置の場合、フラッグを0としている。  船位の位置推定は、記録のある2地点間を漸長緯度航法で等速航行していると仮定し、10分毎に推定した。 (2)日陰フラッグ  船位および時刻からその地点における太陽高度と太陽方位角を算出、船位の変化から船首方位を推定し、船首方位に相対的な太陽方位を求めた。日なたでの観測と推定した場合を1、日陰と判断したか、または日なたと判断できなかった場合-1としている。また、船首方位を求められない場合などは判別不能として99としている。  次の条件を満たすとき、センサーが日なたにあったと判断した。 (i)センサー1台で観測 相対的な太陽方位が船首から±90度以内 (ii)センサー2台で観測 (a)左舷のセンサーのみ観測 相対的な太陽方位が左舷側 (b)右舷のセンサーのみ観測 相対的な太陽方位が右舷側 (c)両舷のセンサーが観測 各観測時刻で左右舷の観測値を比較して値の大きい方を採用、全ての観測値が日なたで観測されたと見なす。 表1:書式 番号 項目 型  桁数 単位 説明 1 年 I 4 年 観測時刻(世界時) 2 月 I 2 月 3 日 I 2 日 4 時 I 2 時 5 分 I 2 分 6 緯度 I 3 度 観測時刻における船位の緯度 正は北半球、負は南半球 7 緯度 I 3 分 8 経度 I 4 度 観測時刻における船位の経度 正は東半球、負は西半球 9 経度 I  3 分 10 位置フラッグ I 1 記録値は1、推定値は0 11 日射量 F 7.1 Wm^(-2) 全天日射量 表示時刻の直前10分間の平均値 12 雲量 I 3 目視観測値(0〜10) 観測がない場合999 13 船首方位 F 7.1 度 船の移動方向を船首方位と見なす。 真北を0度として東回りを正、西回りを負とする。不明は999。 14 太陽方位角 F 7.1 度 船首方位(針路)に相対的な太陽方位、船首方位を0度として、正は右舷側、負は左舷側 15 太陽高度角 F 7.1 度 水平線からの高さ 16 日陰フラッグ I 2 日なたは1、日陰は-1、不明99 17 センサー配置 A 1 Nはセンサー1台観測、船橋前部中央 Mは左右舷にセンサー1台ずつ Pは左舷、Sは右舷のみの観測 18 船名コード A 3 アルファベット3文字 註1:データ型を示す記号は、Iが整数型、Fが実数型、Aが文字型を表す。 註2:実数型の桁数7.1は、全桁数7、整数部(符号を含む)5桁、小数点1桁、小数部1桁を意味する。 表2:船名コード表 コード 船名 ATA 愛宕山丸 AUS Australian Endurance GOD ごっどういっと GRA 瑞川丸、のち、Gracious Spirit HAK 白馬丸 HEI 平隆丸 HYU HYUGA KEN 健隆丸 KII 紀伊丸、のち紀ノ川丸 KUN 国東丸 KYO 旭翔丸 NIC 日豪丸 ONO 尾上丸 OYA 大八洲丸 SHI 白妙丸 SIN 神和丸 SOU さざんくろす丸 TSU 筑波丸 WEL うぇりんとん丸 YAS 八城川丸

系譜情報

データ処理 (1)

データセット作成に関する加工過程や履歴の説明

日射観測概要

1.観測について

 1990年秋から1995年秋にかけて、主に西部太平洋での下向き日射量の直接観測を行った。観測は日本とインドネシア、ニューカレドニア、オーストラリア、ニュージーランドを結ぶ商船に協力を依頼して観測装置を設置して行った。対象航路は熱帯から中緯度まで覆い、また気象条件によって航路が大きく変更されることがないために選んだ。但し、船によっては荷主の都合でまれに北太平洋、南太平洋、インド洋へ航海することもあった。

2.測器

(1)構成

 装置はジンバルに載せた全天日射計と記録装置で構成。

(2)日射計

 石川産業製S-185型(白黒熱電対型の全天日射計)

  センサーの感度:300-2800 nm の波長帯で7mV/(kWm^(-2))

  応答時間:6秒

  精度:2%

(3)記録

 コーナシステム製KADEC-UPを使用、日射センサーからの電圧出力をそのままデジタル化して10分毎に10分平均値を記録。時計は内蔵、リチウムイオン電池で約6ヶ月記録可能。

(4)検定

 各日射計は船舶搭載前と取り外し後に気象庁検定済みの英光精機製MS41型日射計およびスイステコ製SS-25型日射計と比較して検定した。その結果、各センサーとも観測期間の前後でその感度の変化は1%を越えることはなかった。センサー感度と比較してセンサーの劣化は有意ではないと判断した。そこで各センサーの検定係数としては搭載前の値を用いた。なお基準とする日射計はメーカーによる校正を受けている。

3日射データ回収後の処理

 日射観測データは概ね6ヶ月毎に回収した。各センサーの出力は電圧値として記録されているので、電圧から各センサーの校正値を用いて日射量に換算した。

4.観測経緯

 観測は1990年秋に開始、1995年秋に終了した。期間の前半、1990年から1993年初めまで、各篤志船舶に1台ずつ観測装置を搭載した。航海中センサーが日陰に入る恐れがあることは事前に想定していたが、対象海域でのサンプリングを増やすために観測に参加する隻数を増やすことを優先させた。日射計は各船のフライングブリッジ前面中央部の手すりに設置した(図A2)。また、日陰の影響は統計的に補正する予定であった。この期間中最大20隻の船舶の協力を得ることが出来た。詳細についてはIwasaka et al. (1994)を参照のこと。

しかし、外洋の過酷な気象海象条件のもと,記録装置に問題が発生しデータ取得が出来なくなる事態がしばしば発生した。そのような欠測を低減し、かつ日陰の問題を回避するため、1993年から各篤志船舶に2台目の観測装置を搭載することにした。2台目を搭載するに当たり、フライングブリッジの左右両舷に1台ずつ日射計を設置し直し、少なくとも1台は必ず上部構造物の日陰に入らないようにした。一方で日射計の数が限られていたため、観測船舶数は10隻に減らさざるを得なかった。詳細はIwasaka et al. (2000)を参照のこと。

品質等

誤差

(1)日射量

 本研究で用いたセンサーの観測精度は±2%である。センサーのガラスドームの飛沫汚れによるバイアス誤差については、各船の乗組員に適宜清水での洗浄を依頼していたので考慮していない。

(2)日陰での観測値

 日陰で観測された場合、日平均値で見て平均6.7%の過小評価となることが分かっている(Iwasaka et al., 2000)。

 また、個々の10分平均値で見た場合、日なたでの観測値に対して日陰での観測の過小評価率は、日なたでの観測値10Wm^(-2)刻みに評価したところでは、日射量400Wm^(-2) 以下では5.0%以下、1200Wm^(-2)以下では6.0%以下である。これらの過小評価率は、各10Wm^(-2)刻みでの日陰観測値の頻度分布で全体の68%がこの値より過小評価率が小さいかまたは等しくなる値である。従って32%の観測値は過小評価率がこの値を超える可能性がある。

 日射計1台のみで観測した場合、あるいは日射計2台での観測でも1台の観測値のみ有効だった場合、日陰フラッグが1の時は観測値をそのまま利用できる。日陰フラッグが-1の場合は上記の誤差(過小評価)を想定して利用すること。また、日射計2台のセンサーで観測し、2台とも稼働していた場合は両者比較の上値の大きい方を採用しているので、提供している観測値に日陰の影響はないと見なせる。

(3)船位

 観測期間中、船舶でのGPS等の高精度衛星測位は普及していなかったので、船舶の位置測定は天測および航法衛星による測位、ロラン等による電波測位に依存していた。

 また、ここでの船位推定は漸長緯度航法による航路を仮定したものであるが、計算の簡便さから地球は真球を仮定している。

 具体的な誤差の見積もりは困難だが、外洋での推定位置は少なくとも数百m程度の誤差を見込む必要がある。

(4)時刻

 観測に用いた記録計(コーナシステム製KADEC-UP)の内部時計による時刻である。毎回観測開始時に秒単位で時刻合わせを行ったものの、約半年後の観測終了時には10分程度の誤差が生じていた。しかし、これについては補正は施していない。

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データ提供者によるデータ利用規約

データを利用した場合には参考文献(Iwasaka et al., 2000)を引用すること。

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ライセンス

CC-BY-NC-SA 4.0 : 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際

謝辞の記載方法

プロジェクトの指定による謝辞の記載方法

データ統合・解析システム

このデータセットを利用して学会発表,論文発表,誌上発表,報告などを行う場合は,以下を参考に謝辞を記載すること.また,データ提供者が示す謝辞の記載方法がある場合は,それも併記すること.

“ 本研究では、[データ提供者の名称]が提供する[データセットの名称]を利用した.またこのデータセットは、文部科学省の補助事業により開発・運用されているデータ統合解析システム(DIAS)の下で,収集・提供されたものである. ”

参考文献

Iwasaka, N., S. Kuwashima, H. Otobe, K. Hanawa, H. Hagiwara and R. Suzuki, 1994: In situ measurement of incoming solar radiation by voluntary ships in the Western Pacific, J. Oceanogr., 50, 713-723.

Iwasaka, N., Y. Isozaki, S. Kuwashima, H. Otobe and K. Hanawa, 2000: Observational study on the downward solar radiation at the sea surface in the Western Pacific. J. Oceanogr., 56, 717-726.

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